鈴形玉串飾り
鈴形玉串飾り
国家宝蔵
国宝紹介
「鈴形玉串飾り」は国立台湾史前文化博物館に所蔵されている。
卑南遺跡から出土した鈴形玉珠の数はそれぞれ異なり、多くは百余粒、少なくは数粒である。この鈴形玉串飾りセットは152粒に達し、現在の出土数として最も多い。
この鈴形玉串飾りセットは石板棺から出土し、墓主の頭部とその付近に位置していた。出土位置と配列形状から、髪のまげ部分を囲む頭飾り、あるいは頭飾り帯の飾り珠と推定される。全体的に観察すると、この鈴形玉串飾りセットは玉質が清らかで、造形も優美で、制作技術に優れており、史前時代の台湾の装飾スタイルを十分に表現している。これらの貴重な特徴があるため、2012年に国宝として指定された。
3Dギャラリー:鈴形玉串飾り(ひと粒)
参考資料
- 国家文化財ネットワーク(国家文化資産網)
- 葉美珍、「史前珍瑤:卑南遺址玉器」『國立臺灣史前文化博物館通訊:文化驛站』31:P47-53、2012。
- 葉美珍、李坤修、「史前館国宝物語シリーズ2:ラッパ形玉環と鈴形玉珠の装着方法を語る―卑南文化公園PNPAB 7からのヒント」『史前館電子報』308、2015。
所蔵機関
国立台湾史前文化博物館(以下「史前館」)の設立は、1980年の南回鉄道台東駅新築工事までさかのぼる。その工事の際に、台湾考古学史上最も完全な集落であり、さらには東南アジアおよび環太平洋地域最大の石板棺墓群を有する卑南遺跡が発見されたのである。
その発見にともなう文化資源保存の声に応え、史前館は3つのエリアから構成されている。①台東市康楽駅南側の康楽本館 ②卑南遺跡の現在地に建設された遺跡公園 ③台南市内の南部科学園区 ③の地点であるが、その地点は台湾南西部地区では考古学上最も完全な文化層(遺物・遺跡から形成された地層)を持つため、南科考古館が設立された。これらの地域の貴重な資料はすべて、「国立台湾史前文化博物館所蔵品情報システム」に展示されている。