獣形器座

獣形器座

国家宝蔵

国宝紹介

国立歴史博物館蔵「獣形器座」は、1923年に中国河南省新鄭李家楼の鄭公大墓で発掘された春秋中晩期の青銅器で、高さ47cm、長さ34cm、幅30cmある。後世の学者、徐中舒は、これを鎮墓のために用いられたものと考えた。

これは、春秋時代の青銅器で唯一無二の際立った象徴性を持つ獣面人身像であり、春秋時代を研究する上で非常に重要な青銅器として、極めて貴重かつ重要な歴史・文化的価値があることから、2011年に国宝に指定された。

国宝鑑賞

獣面人身で大きな目を持ち、額には鱗文様が施され、胸をはだけて腹を出し、脚は蛇を踏みつけ、口には上方に伸びる細長い棒を含み、頭にも上向きの曲柱が2本ある。

獣形器座の背面を見ると、後ろ姿には肩の筋肉がくっきりと浮かび上がり、生き生きとしている。

獣形器座の側面を見れば、湾曲した長い角、出っ張った腹、反り尻、曲げられた膝、足下でくねっている蛇など、どれをとっても完璧に優美な曲線を見せている。

足下に踏みつけられて8の字になっている蛇は、恐怖のあまり目を見開いて口を開け、鱗を逆立てている。その造形は力強く、写実的で真に迫っている。

参考資料

    1. 国立歴史博物館、河南博物院編、『新鄭鄭公大墓青銅器』、台北:国立歴史博物館、2001。
    2. 楊式昭、『春秋楚式青銅器における様式変化の研究』、台北:国立歴史博物館、2005。
    3. 楊式昭、『春秋方壺上の立体装飾品の研究』、台北:国立歴史博物館、2016。

所蔵機関

国立歴史博物館は、1955年に国民政府の台湾移転後初めての公共博物館として設立された国立歴史文物美術館を前身としており、1957年に、正式に国立歴史博物館と改称された。

所蔵資料は、初期には教育部から移管された戦後日本からの返還古物および台湾に移された旧「河南博物館」所蔵文物を基盤としていたが、その後各界のご厚意による寄贈や購入などにより年々その数を増し、現在は書画・版画・銅器・陶磁器など19種類5万件余りとなっている。 その顔ぶれは多彩で、古きもあれば新しきもあり、庶民性と日常性を備えている。これら貴重な資料は、すべて「国立歴史博物館所蔵資料検索システム」で見ることができる。

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