花岡山文化の蛙形玉飾り
花岡山文化の蛙形玉飾り
国家宝蔵
国宝紹介
「花岡山文化の蛙形玉飾り」は、国立台湾史前文化博物館に所蔵されている。
蛙形玉飾りは新石器時代の末期、今から2800年~2300年前の花岡山文化に作られ、1994年に花蓮県塩寮1号遺跡から出土した。この遺跡から大量の玉作り道具と台湾玉を主とする装飾品が出土したことから、当時すでに、優れた玉作り技術があったことがわかる。特に「花岡山文化の蛙形玉飾り」は、この文化の代表作である。
この玉はカエルの形をした立体造形であり、材質は台湾玉(閃玉)であり、玉質が良く、よく磨かれ、保存も良好である。台湾の史前時代の優れた玉細工と特有の形を示し、重要な歴史文化的、かつ芸術的価値を有している。
そのため2014年には「特別な歴史的意義があり、さらに伝統、民族群、地方文化の特色、特殊な時代の特色・技術・流派を表現できる作品」として国宝に指定された。
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国宝鑑賞
蛙形玉飾りの正面
このコレクションは、台湾史前遺跡ではめったに見られない立体的な玉飾りである。長さは約36.4mm、幅は約27mm、厚さは約9.7mm、重さは約13gである。
玉質は潤沢で、形はカエルのようで、落飾とみなされている。細いロープを巻き付け、線の細部は主にカエルの正面に表れており、大きな目と足部が「几」状の分岐二肢に彫られている。
蛙形玉飾りの背面
背面には、カエルの腹と頭の間に口形の凹凸があり、カエルの口を表すものとして彫られている。
蛙形玉飾りの左側。
蛙形玉飾りの右側。
蛙形玉飾りの頭。
蛙形玉飾りの足底。
参考資料
- 国家文化財ネットワーク(国家文化資産網)
- 国立台湾史前文化博物館
- 葉美珍、『花崗山文化の研究』、台東市:国立台湾史前文化博物館、2011。
所蔵機関
国立台湾史前文化博物館(以下「史前館」)の設立は、1980年の南回鉄道台東駅新築工事までさかのぼる。その工事の際に、台湾考古学史上最も完全な集落であり、さらには東南アジアおよび環太平洋地域最大の石板棺墓群を有する卑南遺跡が発見されたのである。
その発見にともなう文化資源保存の声に応え、史前館は3つのエリアから構成されている。①台東市康楽駅南側の康楽本館 ②卑南遺跡の現在地に建設された遺跡公園 ③台南市内の南部科学園区 ③の地点であるが、その地点は台湾南西部地区では考古学上最も完全な文化層(遺物・遺跡から形成された地層)を持つため、南科考古館が設立された。これらの地域の貴重な資料はすべて、「国立台湾史前文化博物館所蔵品情報システム」に展示されている。