金柄銅短剣

金柄銅短剣

国家宝蔵

国宝紹介

国立歴史博物館所蔵「金柄銅短剣」は、中国河南省輝県の瑠璃閣甲墓から出土した、春秋末期の衛国国君墓の埋葬品である。

西周時代、剣はすでに流行し始め、春秋戦国時代には、剣はそれを着けた者の等級身分を示すものでもあった。当時流行していた剣は青銅製の短剣であり、柄に華麗な龍文や蟠螭文が装飾されていた。

この短剣は、柄が10.7cm、剣身が22.6cmという細身の剣で、柄には金箔が貼られ、獣面文が施された精巧にして華美なものであり、出土数が少なく貴重である。恐らくは春秋衛国の君主の護身具であり、重要な歴史的、文化的価値を有していることから、2011年に国宝に指定された。

国宝鑑賞

剣身は甚だしく腐食しているが、剣脊がまっすぐに剣鋒を貫いており、西周末期の連脊柱形茎剣の特徴をはっきりと見ることができる。

剣身は細長く、背骨状の中背に突起があり、両鍔は非常に狭く尖っている。

剣首は中空で、楕円形をしており、中央には丸い穴があり、その周りには双身蟠螭文が浮き彫りされている。

剣柄の詳細説明

剣首部分はぐるりと三角文が刻まれており、一つおきに、中に3つの雲文が刻まれた三角文が配されている。
柄それ自体が、螺旋状の文様をなしている。
剣格は広く、非対称の勾連回文が施され、両側には中国の神話に登場する妖怪、饕餮(とうてつ)が彫られている。

参考資料

所蔵機関

国立歴史博物館は、1955年に国民政府の台湾移転後初めての公共博物館として設立された国立歴史文物美術館を前身としており、1957年に、正式に国立歴史博物館と改称された。

所蔵資料は、初期には教育部から移管された戦後日本からの返還古物および台湾に移された旧「河南博物館」所蔵文物を基盤としていたが、その後各界のご厚意による寄贈や購入などにより年々その数を増し、現在は書画・版画・銅器・陶磁器など19種類5万件余りとなっている。 その顔ぶれは多彩で、古きもあれば新しきもあり、庶民性と日常性を備えている。これら貴重な資料は、すべて「国立歴史博物館所蔵資料検索システム」で見ることができる。

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