石製梟立像

石製梟立像

国家宝蔵

国宝紹介

鳥類の動物は頻繁に商代の器物に現れ、甲骨、青銅器、玉器、大理石などの材質の器物すべてに見ることができる。石立梟(フクロウ)は中央研究院歴史語言研究所に所蔵されている。これは大理石で彫刻されたフクロウ形の立像であり、河南省安陽殷墟1001号商王大墓から出土し、高さ17.1㎝、重さ2.5㎏である。

商代職人は、その熟練した彫刻技術を存分に発揮した。鳥のくちばしは尖った鉤状となり、両足は丸く直立し、胴体には様々な紋様が刻まれ、小さくかわいらしい。商代大理石彫刻の傑作と考えて間違いない。2009年に中華民国(台湾)文化部より国宝として指定された。

国宝鑑賞

フクロウ形の立像の正面である。扁円形の頭、くちばしは鉤のように曲がっている。腹部は多少出張っており、体全体に複雑な紋様が施されている。
両耳の正面に虫紋があしらわれる。
胸部に対称的な鳥紋があしらわれる。
足正面には陰文の紋様が飾られる。

フクロウ形の立像の背面である。羽は背骨上のセミ紋を中心として、両側には簡略化された龍紋がいくつも飾られている。後ろ側の尾羽には、それぞれ一匹ずつ夔紋が飾られている。

フクロウの形をした立像の側面である。尖った尾が垂れ下がり、翼の側面には簡略化された龍紋が飾られ、頭と足の両側には夔紋が施されている。

上から見たフクロウの立像。

参考資料

所蔵機関

中央研究院歴史語言研究所は1928年に、中国の広州で創立されました。1948年冬に台湾に移転し、1954年に南港の現所在地に落ち着きました。本所はいくつかの学科で構成されており、歴史学・考古学・人類学・文字学などの研究分野が含まれています。本所の研究成果は、国内外の学界からも重視されています。

歴史語言研究所が所蔵する文物は合計14万点余りです。その中には、当所が中国大陸に所在していた時期に発掘・採集した考古遺物約12万点余りが含まれています。他には、居延漢簡が約1万点、中国少数民族文物と文書が2千点余りあります。他にも、内閣大庫明清文書約31万点が収蔵されています。

それらの所蔵を展示するために、1986年より歴史文物陳列館が設置されました。館内の展示は、伝統的な博物館が精品のみを陳列するのと異なり、学術研究成果を中心として展示されています。展示内容には、中国の商周から戦国時代までの遺跡から出土した文物・居延漢簡・貴重な図書資料・内閣大庫の明清檔案・中国西南部の民族文物・豊碑の拓片・台湾考古資料などが含まれています。文物展示と、歴史文物陳列館が主催するイベントを通じ、本所による長年の研究成果を、一般社会の方々とシェアできるようになっています。

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