蓮池
蓮池
国家宝蔵
国宝紹介
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林玉山の「蓮池」は国立台湾美術館に所蔵されており、同館において鎮館の宝とされている。
林玉山(1907-2004)の出身地は嘉義である、父は風雅軒表装屋を経営した。幼い頃から自宅で2人の絵師の指導を受け、中国伝統宗教民俗画に馴染んでいた。1922年、林玉山は画家の伊坂旭江から水墨画を学び始め、陳澄波のもとで写生を行い、水彩・スケッチなどの洋風の表現技法に触れた。伊坂旭江と陳澄波に励まされ、林玉山は1926年に日本に渡り、東京川端画学校西洋画学科に入学した。1927年に第1回台湾美術展覧会が開催され、林玉山と郭雪湖・陳澄波は東洋画部の中で3人の台湾人画家として選出され、「台展三少年」と呼ばれた。
この「蓮池」は、第4回台湾美術展覧会特選賞を受賞した。構図上の、左上から右下までの斜角の視野で視覚動態が形成され、絵中のハス畑は生命の発展の過程を暗示している。左下のシラサギはゆっくりと水を渡り、水面下を泳ぐ小魚をじっと見つめ、静態の中に動きと活力を加えた。さらに、絵の中の濃淡が交錯する色調は、曙光が現れた瞬間をとらえ、独特の暖かみと霊的な雰囲気を作り出し、作者のデザイン力の高さ、墨の使用法、文化人としての奥深さを際立たせた。
この作品には、中国の伝統的な色彩重視の風格が融合され、日本絵画の繊細な技法とともに、西洋絵画の写実的な観念が含まれている。その形と雰囲気は、ともに巧妙に作られている。2015年に文化部の審議を経て、国宝として指定された。
「蓮池」は1930年に完成し、台湾・日本・中国の3箇所での絵画特色を融合させ、林玉山が台湾美術史のために残した未来に渡って続く古典作品である。この絵は嘉義牛稠山を取材し、林玉山は写実性を求めた。御来光が現れた時、ハスの花が光にしたがって最も美しい瞬間が開かれた。彼は画友の林東令とともに牛稠山蓮池のほとりで夜を見過ごた。蚊の侵入に耐え、御来光が現れるのを待ち、ハスの花が咲くのを待ち、すぐに写生を行い、真実を求める精神でこの絵を完成させた。
この大作は、林氏が1カ月の間、自然に閉じこもりながら描いたもので、彼の代表作となるだけでなく、台湾の風土を表現する力作でもある。色の面では、台湾の蓮の花には独自の特色があり、牛稠山の土はすべて赤土であり、池の水も赤色であるため、資金を惜しまず、金の粉で絵を描くように工夫した。さらに金の粉は赤色の純金、青色の青金、やや水色の金に分けられ、三色の金を巧みに用いて御来光が赤色の山、青色の水に映るという、異なった光の影を描き出した。
この絵画は、林さんと出身地が同じである友人に贈られたものであり、1999 年に日本人の美術収集家が購入を希望した。そして幸運なことに、台湾民衆が募金活動を開始し、この絵を購入し、台湾に永遠に残すことが可能となった。
参考資料
- 高以璇訪問、『林玉山:師法自然』、台北市:国立歴史博物館、2004。
- 王耀廷、蕭瓊瑞、薛燕玲、『模範伝移―林玉山絵画芸術特別展』、台中市:国立台湾美術館、2012。
- 潘襎、『林玉山〈蓮池〉』、台南市:台南市政府、2014。
- 陳瓊花、林章湖などが著し、『「絵写自然」神韻林玉山学術研究会論文集』、台北市:国立台湾師範大学、2016。
所蔵機関
国立台湾美術館は1988年に開館し、運営を行っている。展示内容は視覚芸術をメインとしている。台湾の、現在美術と現代美術の収蔵・研究・展覧・教育推進に注力し、豊富で学術的な芸術鑑賞環境を提供している。
また、台湾の美術資産を守るという重要な役割を担うため、収蔵された絵画を適切に保管してデジタル化するとともに、データベースサイト「国美典蔵」を構築し、芸術文化資源を全国民と共有している。