玉管
玉管
国家宝蔵
国宝紹介
「玉管」は国立台湾史前文化博物館に所蔵されている。
1984年に卑南遺跡から出土した特色のある玉器は、新石器時代の末期に作られ、長さは28.75cmに達する。台湾東部及び近隣国の他の遺跡から出土した同類の玉器と比較し、この管形玉器は、現在知られている最長のものである。そのため2012年には「品質が良く、数量が特に少なく、特別な歴史的意義があり、さらに伝統、民族群、地方文化の特色を表現できる作品」として国宝に指定された。
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国宝鑑賞
玉管は卑南遺跡の、最も特色のある玉器である。東部の他の遺跡と比較すると、卑南で出土した玉管は数が多く、長さが長い。その中で出土した玉管の形状は、四角よりも円形である。大半の玉管は、首飾りとして使用されていた可能性がある。
このセットの長い玉管が出土した時、5本の玉管が墓主のそばに集まっており、他の短い玉管は墓主の胸の前に置かれていなかった。したがってこれらの長い玉管は、特定の目的のために使用されていたものと推測される。
玉管は、卑南遺跡の石板棺副葬品である。材質は台湾玉(閃玉)、1組5本、それぞれの規格は均一である。管長は28.75cm、円径は9.4mm、重さは40.5g、現存する最長のドリル状陪葬品であり、完全な形で保存されている玉管である。
製造方法は、棒状の玉材を円柱体に磨いた後、その両端をパイプ状にドリルするという、繊細な研磨技法である。当時すでに、高水準の技術が備わっていたことがわかる。これが玉管孔の写真である。
参考資料
- 国家文化財ネットワーク(国家文化資産網)
- 葉美珍、「史前珍瑶:卑南遺跡玉器」『文化驛站』31:P 47-53、2012。
- 臧振華、葉美珍、『館蔵卑南遺跡玉器図録』、台東市:国立台湾史前文化博物館、2005。
所蔵機関
国立台湾史前文化博物館(以下「史前館」)の設立は、1980年の南回鉄道台東駅新築工事までさかのぼる。その工事の際に、台湾考古学史上最も完全な集落であり、さらには東南アジアおよび環太平洋地域最大の石板棺墓群を有する卑南遺跡が発見されたのである。
その発見にともなう文化資源保存の声に応え、史前館は3つのエリアから構成されている。①台東市康楽駅南側の康楽本館 ②卑南遺跡の現在地に建設された遺跡公園 ③台南市内の南部科学園区 ③の地点であるが、その地点は台湾南西部地区では考古学上最も完全な文化層(遺物・遺跡から形成された地層)を持つため、南科考古館が設立された。これらの地域の貴重な資料はすべて、「国立台湾史前文化博物館所蔵品情報システム」に展示されている。